2012-01-19

4.続く大学側との話し合い

2008年には、尾池総長(当時)および東山副学長(当時)が退任し、新たに松本総長および西村副学長が就任しました。
副学長交代に伴い、吉田寮は、それまで引き継がれてきた確約を新副学長に確認してもらう「引継団交」に向けた準備を進めます。この確約というのは、自治会と大学間の基本的な約束事を文章で確認するものであり、新棟についての話し合いを行う際の前提となる約束事です。しかし、引継団交に向けた交渉は難航を極めました。大学側は、それまで自治会が大学側と確約を結んできた経緯について「今まで自治会の決定権を認めるような確約を結んできたのは間違いだった」などと発言していたからです。自治会が再三にわたって確約の意義を説明し、その文言の表現について大学側に大幅に譲歩することで、最終的に確約を結ぶことはできました。しかしそれは2010年7月、交渉が始まってから、約2年半後のことでした。このような経緯があって老朽化対策の議論は一時停滞してしまったのです。

またこの間、大学側から老朽化問題に関する提起が行われました。2009年4月に「吉田南キャンパス最南部再整備計画(案)」が提起されたのです。これは、吉田寮に隣接した敷地に新棟を建設し、現吉田寮を建て替えるという計画です。自治会は、現吉田寮を建て替えるかどうかは別の話として、まずは新棟について話し合っていくということを大学側と確認しました。新棟に関する予算の国への要求期限が2009年6月と直近だったため、多くの時間を割いて議論が行われましたが、国への予算は結局通りませんでした。しかし大学側が、第二次中期計画*³で確保した予算を吉田寮の老朽化対策のために使いたいということで、議論は継続しています。

2010年10月、西村副学長の任期満了に伴い、赤松副学長が就任しました。翌年3月には赤松副学長との確約の引き継ぎが終わり、引き続き、吉田寮の老朽化対策について話し合いを続けています。吉田寮の老朽化対策については、今も話し合いの最中であり、何も決定していません。

*3 第二期中期計画……大学が独自に捻出した積立金で実行する計画。国に直接申請する概算要求より用途の自由度が高い。

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